甲虫には、35万種以上もの種類が存在し、その数は昆虫のみならず、全動物の中でも最多と言われています。
そこで今回は、カブトムシやクワガタムシを中心に、甲虫たちが１対１で闘った場合、最強なのは何なのか、ランキング付けし、その習性や特徴と共にご紹介して行きたいと思います。
カブトムシ、クワガタムシに、割って入る甲虫が存在するのか、その点にも注目して頂けたらと思います。
尚、このランキングは、下記3つのルールに基づき順位付けしております。
3つの選考ルール
1、押し合いや投げ合い、基本的な昆虫相撲のルールを基準
2､同じ属種は最強の1種のみ
3、最大個体同士の闘いを想定
では、早速見ていくことにしましょう。
世界最強甲虫ランキング 12位 エラフスホソアカクワガタ
エラフスホソアカクワガタは、インドネシアのスマトラ島の高地に生息する、ホソアカクワガタ属最大の種です。
メタリック色のボディから漂う強者感とスマートなフォルムは、非常に魅力的で、「世界一かっこいいクワガタムシ」と評されています。
最大全長109mmにも達するのですが、その半分は大顎が占めており、胴体部分はそれほど大きくありません。
人間の格闘家に例えると、長身やせ型で、リーチの長さを活かした闘いをする、アウトボクサーといったところでしょうか。
パワー不足で、脚力も大顎の挟む力も強くありません。
大型のクワガタとしては珍しく、大人しい、争いを好まない性格をしています。
世界最強甲虫ランキング 11位 ヨーロッパミヤマクワガタ
ヨーロッパミヤマクワガタは、ヨーロッパ全域と西アジアにかけて生息する、ミヤマクワガタ属最大にして、ヨーロッパでは最大の昆虫とされています。
最大体長104mmと、日本のミヤマクワガタと比べ、30mmも長く、体幅も大きく、特に頭部の大きさは特徴的です。
大顎は太く強く湾曲しており、やや先端寄りに内歯を備え、先端は二又に分かれています。
大きな体格と大顎の形状を活かし、上から抱え込み、相手を持ち上げることを得意としますが、パワーに差があったり、爪の踏ん張りが強い相手だと、引き剥がし、持ち上げることは困難なようです。
また、装甲が薄く、防御力に劣るため、挟む力の強い、大きな顎を持ったクワガタ相手だと、寸断されたり、内歯で穴を穿たれるリスクが高まります。
環境変化に弱く、寿命が短いなど、虚弱な側面もあり、大きな体格を活かしきれない、厳しい言い方をすると、見かけ倒れ感が強いクワガタだとも言えるでしょう。
世界最強甲虫ランキング 10位 カブトムシ
カブトムシは、日本をはじめ、台湾、中国、朝鮮半島などに生息する、カブトムシ属に分類される種で、特に日本に生息するカブトムシを、「ヤマトカブト」と呼び、区別することもあります。
最大体長92mmに及び、日本に生息する甲虫では、ヤンバルテナガコガネに次いで、2番目の大きさを誇っています。
このランキングに登場する、他のライバルたちと比べると小柄なのですが、その割に力が強く、押し出しの強さと、素早さを生み出す脚力を持っています。
また、相手を投げ飛ばしやすい形状に最適化された角を、素早くお腹の下に入れ込み、てこの原理を利用し、投げ飛ばす戦闘技術は一級品です。
餌場争いなど必要に迫られた場面以外では、むやみに闘うことはなく、相手を投げ飛ばし、一旦勝負がついてしまうと、執拗な追い打ちをかけることもありません。
闘争心は旺盛で、大きな相手にも果敢に挑むのですが、体格差の壁に阻まれ、この順位にとどまるのは残念なところです。
世界最強甲虫ランキング ９位 オオエンマハンミョウ
オオエンマハンミョウは、主にアフリカ南部に生息する、オオエンマハンミョウ属に分類される世界最大のハンミョウです。
最大体長60mmと、このランキングに登場する甲虫の中では、一番小さな種類となりますが、体格差を補って余りある、高い戦闘力を持っています。
恐ろしく硬い甲殻、俊敏な機動力、強力な顎と、三拍子揃っており、隙が見当たりません。
その中でも特筆すべきは、その俊敏さで、相手の攻撃をかわし、胸元へ入り込むインファイトを得意としています。
昆虫はもちろん、ネズミやトカゲをも捕食してしまうほどの肉食性向と、獰猛な性格が相まって、敗者はバラバラで無残な姿にされてしまうことも多いようです。
大型のクワガタにも、互角に近い戦いを展開するのですが、攻撃の決め手に欠ける部分もあり、最終的に体力負けしてしまいます。
また、大型のカブトムシとは、餌場の競合を避けるなど、体格差による、大きな壁が存在するのは間違いありません。
世界最強甲虫ランキング 8位 ギラファノコギリクワガタ
ギラファノコギリクワガタは、インドネシアやフィリピン、インドからマレー半島にかけての熱帯雨林に広く生息する、ノコギリクワガタ属のクワガタです。
最大体長121mmにも及び、世界最長を誇っており、世界三大クワガタにも数えられています。
非常に長い大顎のリーチを活かし、相手に先んじて攻撃をしかけ、挟み込み投げ飛ばしてしまいます。
さらに、大顎には、のこぎり状のギザギザとした歯が並んでいるため、挟んだ相手をがっちりとロックします。
挟む力は、根本部分は強いのですが、先端部分になると、それ程強くありません。
また、上位にランキングする他の大型クワガタと比べると、全体的にパワー不足で、物足りなさを感じざるを得ません。
人気とカッコよさでは、さらに上位に食い込めるのですが、強さだとここが妥当なところでしょう。
世界最強甲虫ランキング 7位 アルケスツヤクワガタ
アルケスツヤクワガタは、フィリピンのルソン島やミンダナオ島などに生息する、ツヤクワガタ属最大級のクワガタです。
最大体長104mmにも及び、太く厚みのある、がっちりとしたボディが特徴です。
大顎の長さは、長歯型でもあまり長く伸びないため、体積や重量ではツヤクワガタ属最大となります。
大顎の挟む力は非常に強力で、うっかり先端の歯の部分で手を挟まれると、皮膚に穴が開き、出血を強いられてしまうほどです。
また、闘争心が非常に強いため、アルケスオニツヤクワガタと呼ばれることもあるほどです。
体格をはじめ、顎の力や脚力、闘争心など、戦闘いにおいて重要な資質が高次元でまとまっているため、この順位にも納得です.
世界最強甲虫ランキング 6位 マンディブラリスフタマタクワガタ
マンディブラリスフタマタクワガタは、インドネシアのスマトラ島、ボルネオ島に生息する、フタマタクワガタ属最大最強の種です。
最大体長119.5mmにも及び、8位で登場したギラファノコギリと同じく、世界三大クワガタに数えられる巨大種です。
大顎の挟む力は、ギラファノコギリよりも強く、押し出す力も、一段上を行っていると言って良いでしょう。
気性が荒く、非常に好戦的なのですが、気分にムラが多く、一度劣勢になると逃げ腰になる、弱い一面を持っています。
重心が高く、重心が低い相手との闘いは相性が悪く、9位で登場したカブトムシあたりに負けてしまう場面も、珍しくはないようです。
また、オオクワガタ属のライバルたちと比較すると、細身で、絶対的なパワーで劣ってしまい、さすがの大顎ファイターも6位止まりとなってしまいます。
世界最強甲虫ランキング 5位 ゴライアスオオツノハナムグリ
ゴライアスオオツノハナムグリは、アフリカのナイジェリア、カメルーンなどに生息する、オオツノハナムグリ属の甲虫です。
最大体長110mm、体重100gにも達し、飛翔できる昆虫の中で最重量を誇り、もちろん甲虫の中でも最重量となります。
体高も体幅も大きく、脚も太くガッチリとしていますが、カブトムシやクワガタムシが持っている、角や大顎といった武器は持っていません。
ひたすら長く太い手と重量を活かした、強力な押しの一手となります。
胸部後方の縁がナイフのように鋭く、体を反らせて、胸部と腹部で挟み、天敵である鳥やサルに反撃をします。
また、他の甲虫と比較し、頻繁に飛翔し、その巨体からは想像出来ない速度で飛ぶことが可能です。
飛翔筋が発達していることが、体重が重い秘密となっているようです。
世界最強甲虫ランキング 4位 エレファスゾウカブト
エレファスゾウカブトは、メキシコ南部、中央アメリカ、南アメリカの熱帯雨林に生息する、ゾウカブト属の代表種です。
最大体長144mm、最大体重50gにも及び、ゾウカブト属の中で最長、体重に関しては、全カブトムシの中でも最重量を誇ります。
全身に覆われた、金色のビロード状の微毛が、非常に美しい種でもあります。
角は短いのですが、脚が非常に長く、がっしりと太く、脚力、爪の力に関しては、カブトムシの中で最強と言われています。
その闘い方は押しの一手、パワー勝負です。
爪を食い込ませる事が出来るステージでの闘いになると、更に力を発揮することでしょう。
性格は巨体に似合わず、大人しく争いを好まない性格をしており、もしも獰猛で好戦的な性格をしていたのであれば、もっと上位に食い込むことが出来たことでしょう。
世界最強甲虫ランキング 番外編
ここで、ベスト3を前に、番外編として、このランキングに入るほど強くないのですが、とても強そうに見える、特殊な1種をご紹介しておきたいと思います。
世界最強甲虫ランキング 番外編 タイタンオオウスバカミキリ
タイタンオオウスバカミキリは、ブラジル、コロンビア、ベネズエラなど南米の熱帯雨林に生息する、カミキリムシ科最大の種です。
最大体長167mmにも及び、昆虫全体から見ても、トップクラスの大きさを誇ります。
大顎は小さく目立たないのですが、細い木の枝を、簡単に噛み切ってしまうほどの噛む力を持っています。
しかし、少ないエネルギーで飛ぶために、体重は非常に軽く、戦闘向きではありません。
そのため、基本的には戦闘は行わず、餌場でも争うことはありません。
非常に希少性が高く、標本用として高値で取引きされているため、現地民の手により乱獲されたり、開発による生息地の森林破壊もあり、個体数を減らし、絶滅危惧種にも指定されています。
世界最強甲虫ランキング 3位 パラワンオオヒラタ
パラワンオオヒラタは、フィリピンのパラワン島に生息する、オオクワガタ属最大にして最強の種です。
最大体長114mmにも及び、世界三大クワガタにも数えられています。
長い大顎のリーチを活かした、高い戦闘技術は特筆すべきもので、巨体にも関わらず、俊敏な点も強さのポイントです。
また、気性が荒く好戦的な性格をしており、闘志剥き出しで闘う様は、クワガタムシ最強に相応しいものとなっています。
体格、パワー、テクニック、スピード、闘争心と、高くバランスの良いステータスは、このランキング#随一かも知れません。
数あるクワガタムシの中でも、オオクワガタ属の強さは突出しており、今回の一属一種のルールがなければ、スマトラオオヒラタやテイオウヒラタなども、上位に登場してきたことでしょう。
世界最強甲虫ランキング 2位 コーカサスオオカブト
コーカサスオオカブトは、インドネシアのジャワ島やスマトラ島、マレー半島などに生息する、アトラスオオカブト属最大最強の種です。
最大体長138mmにも及ぶ、大きな身体が生み出す強力なパワーと、頭と胸に生えた3本の大きな角を武器としています。
長い胸角と頭角で相手を挟み込み、放り投げる攻撃や、鋭い爪を備えた長く強靭な脚を、振り回し攻撃するなど、攻撃力の高さがこの種の特徴です。
加えて、カブトムシの中でも、闘争心の強さはNO.1とされており、敵となる相手に容赦がなく、死して決着のついた相手にも、延々と攻撃を続け、バラバラにしてしまう、常軌を逸するほどの獰猛さを持っています。
幼虫の頃でさえも獰猛で、触るとすぐに噛みついてくる程で、噛む力も強く、噛まれると出血することもあるようです。
また、胸部と前翅の間の部分は、爪切りのように鋭くなっており、そこに触れると反射的に閉じる性質を持っていますので、コーカサスオオカブトを触る場合は、十分な注意が必要です。
世界最強甲虫ランキング 1位 ヘラクレスオオカブト
ヘラクレスオオカブトは、メキシコ南部からブラジル中部の降水量の多い熱帯雨林に生息する、オオツノカブト属最大にして、世界最大のカブトムシです。
最大体長180mmにも及び、その巨体から湧き出る、圧倒的なパワーと、大きくて長い立派な角が特徴です。
長く大きな角を用いて、相手を挟み込み投げる、槍のように突き立てて押し出すなど、長い角を巧みに操り、相手を圧倒します。
巨体を支え突進する、脚力の強さは言うまでもありません。
しかし、基本的には大人しい性格をしており、むやみな戦闘を避けるのですが、身の危険を感じた場合の闘争心は、2位のコーカサスカブトにも匹敵するほどです。
この順位に関しては、様々な昆虫相撲などの実績から見ても、異論がある方は少ないのではないでしょうか。
人気も実力も兼ね備えており、キングオブインセクト（King of insects）、ムシキングの称号はヘラクレスオオカブトのためにあると言っても良いでしょう。
世界最強甲虫ランキング まとめ
押し合いや投げ合い、昆虫相撲という、一定のルールの下では、体格の良いカブトムシに軍配があがるようです。
しかし、ルール無用のデスマッチや、同サイズ限定の闘いの場合は、クワガタムシが強いという意見が多いのも事実です。
尚、このランキングは、あくまで私個人の独断と偏見をもとに、敢えて順位付けしたものに過ぎません。
あくまでエンターテイメントの範疇として捉えて頂けましたら幸いです。
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