人間の噛む力、咬合力は、成人男性で約70kgと言われています。
それと比較して、世界の動物たちの噛む力、咬合力はどれくらいなのか、何の動物が最強なのか興味があるところです。
そこで今回は、実際の咬合力の強さをもとに、ランキング形式でご紹介してみたいと思います。
尚、このランキングでは、実測データが存在していること、同種のものは上位1種のみのランクインとすることを、ルールとして順位付けしております。
では早速見ていくことにしましょう。
最強動物ランキング～噛む力～ 10位 ホオジロザメ
咬合力：３０３ｋｇ
ホオジロザメは、強い咬合力を持っていますが、予想の順位よりも低いと思われた方も多いかも知れません。
ギザギザのノコギリのような、三角形の歯を用い何度も細かく噛みつき、獲物に出血を強いて、意識を失わせます。
切れ味が鋭い歯は、獲物をやすやすと切り裂くことが可能なので、噛む力は余り必要がないとも言えます。
とは言っても、人間の４倍以上にも及ぶ咬合力と、刃物のような歯の組み合わせは、襲われるものにとっては悪夢と言って良いでしょう。
最強動物ランキング～噛む力～ 9位 カンガール・ドッグ
咬合力：３０７ｋｇ
カンガール・ドッグは、様々な犬種の中で、最強の咬合力を誇っています。
トルコの国宝に指定されているこの犬種は、古くから牧羊犬や軍用犬として活躍してきました。
オオカミやクマなどの、獰猛な肉食獣から家畜を守る強さと、過酷な戦場で生き抜くための生命力を持っています。
身体も大きく、体高80cm、体重66kg以上にも及び、咬合力だけではなく総合的な強さも、犬の中ではNO.1との呼び声が高い犬種です。
最強動物ランキング～噛む力～ 8位 ライオン
咬合力：３１３ｋｇ
ライオンの咬合力は、犬の中で最強と言われている、カンガール・ドッグを僅かに上回る程度です。
「百獣の王」と呼ばれ、恐れられているだけに、少し以外な結果ではあります。
ライオンは、集団で狩りを行う習性があるため、個々での顎の強さ、噛む力をそれほど必要とはしていません。
そのため、徐々に噛む力が衰退していったのではないかと、一部の研究者は推測しているようです。
最強動物ランキング～噛む力～ 7位 ベンガルトラ
咬合力：４３３ｋｇ
ベンガルトラは、同じネコ科の動物であるライオンを、大きく上回る咬合力を持っています。
また、ネコ科の中で最も長い、8cmにも及ぶ犬歯を持っており、その牙を剥いた姿は見るものを恐怖に陥れます。
ベンガルトラと同程度の体格、パワーを持っているアムールトラは、総合の戦闘力でもライオンを上回り、ネコ科最強と言われています。
1対1での戦いの場合、咬合力の差は勝負を分ける重要なファクターとなっているのは間違いありません。
最強動物ランキング～噛む力～ 6位 ブチハイエナ
咬合力：４５４ｋｇ
以外なのですが、ブチハイエナは、ライオンやトラをも上回る咬合力を持っており、キリンの脚の骨を砕くほどだと言われています。
その秘密は、驚異的な顎の筋肉と、二重歯列となっている強靭な歯にあります。
強大な咬合力の他に、最大時速60kmで数kmに渡って獲物を追いかけ回すことが出来る、脚力とスタミナは、ハンターとしての資質に十分過ぎるスペックと言って良いでしょう。
その事実は、ブチハイエナが、死肉をあさる他のハイエナとは、一線を画す存在であることを証明しています。
最強動物ランキング～噛む力～ 5位 ホッキョクグマ
咬合力：４９６ｋｇ
ホッキョクグマは、クマの中で最も大きな体格をしており、全長3.3メートル、体重1トンを超える個体も存在しています。
ホッキョクグマ以外のクマは、肉食、草食と両方に対応出来る歯の構造になっていますが、完全肉食のホッキョクグマは、肉食に特化した強力な咬合力と鋭い歯を持っています。
主にアザラシやセイウチ、クジラなどを捕食していますが、人間を襲うこともあり、実際に襲われ亡くなられた事例が多数報告されています。
また、積極的に人間を捕食しようとする哺乳類は、ホッキョクグマだけだとも言われています。
最強動物ランキング～噛む力～ 4位 ゴリラ
咬合力：５３７ｋｇ
ゴリラは、霊長類最大にして最強なのですが、咬合力も半端ではありません。
植物の硬い木の実や根っこなどを、鋭利な犬歯で噛み砕き、丈夫な臼歯でゴリゴリとすり潰して食べます。
ゴリラの強力な顎と首の筋肉が、それを可能としているのです。
成熟したオスのゴリラは、外敵や他のオスを威嚇するため、一際長く鋭い犬歯を持っているのも特徴です。
しかし、ゴリラがこれほど上位に食い込んでくるほどの、噛む力を持っているとは予想できませんでした。
最強動物ランキング～噛む力～ 番外編
ここで、ベスト3を前に、番外編として、既に絶滅しており、実測することは不可能な、あの巨大生物の咬合力を推し量ってみたいと思います。
最強動物ランキング～噛む力～ 番外編 ティラノサウルス
咬合力：推定３６３０ｋｇ
ティラノサウルスは、今から約6800万から6600万年前に地球上に生息していた、最も有名で最強と言われている肉食恐竜です。
最強だったと言われる理由の一つは、驚異的なその咬合力にあります。
強大な顎の筋肉により発生する噛む力を、獲物に効率的に伝えることを可能とする、非常に強固な頭蓋骨を持っていました。
アメリカの研究者が、ティラノサウルスの骨格や、ワニや鳥など恐竜の子孫のデータを解析した結果、約3630kgの咬合力を持っていたと推測されるそうです。
肉食恐竜の中でも、ティラノサウルスだけが、獲物を骨ごと噛み砕いて食べることが出来たとされ、他の肉食恐竜には真似出来ない領域だったようです。
実際に買う事ができるなんて驚きです。
お値段が気になります。
最強動物ランキング～噛む力～ 3位 ジャガー
咬合力：６２０ｋｇ
ジャガーは、ライオンやトラなどを抑え、ネコ科最強の咬合力を持っています。
体と比較し、頭蓋骨が非常に大きく、顎の筋肉も発達しているため、これ程の強い咬合力を生み出す事を可能としています。
他の大型のネコ科の動物は、最初に獲物の喉を狙うのですが、ジャガーの場合、獲物の頭蓋骨ごと噛み砕いて捕食するのです。
強力な咬合力と、長く鋭利な犬歯の組み合わせは驚異的で、カメの甲羅を貫き、簡単に穴をあけてしまう程です。
最強動物ランキング～噛む力～ ２位 カバ
咬合力：７４５ｋｇ
カバは、陸上に住む哺乳類の中で、最強の咬合力を持っています。
150度まで開く巨大な口には、最大60cmにも及ぶ、長くて太い犬歯が生えており、噛まれると串刺しにされてしまいます。
テリトリー意識が高く、気性も荒いため、生息地のアフリカでは、ライオン以上に恐れられている存在です。
尚、この745kgという値は、メスのもので、オスは攻撃性が高過ぎて危険であると言う理由から、実測することが出来ていません。
測定することが出来たら、745kgを上回る数値を叩き出すのは間違いないでしょう。
最強動物ランキング～噛む力～ 1位 イリエワニ
咬合力：３１８５ｋｇ
イリエワニは、現生する生物の中で、最強の咬合力を持っており、その差は圧倒的です。
爬虫類の中で最も大きく、全長7メートル、体重1.2トンにも及びます。
ワニは基本的に、体重に比例して咬合力が強くなる傾向があり、ワニの中で最大の種であるイリエワニが最強なのは自然なことだと言えます。
これほどの咬合力を持つイリエワニなのですが、口を開く力はとても弱く、ダクトテープを、2、3周巻くだけで、全く口を開ける事ができなくなってしまいます。
ちなみに、口を開く力が弱いことは、ワニ類全てに共通しています。
もしも、イリエワニに襲われたら、両手で口を押さえつけてあげると良いかも知れません（笑）
最強動物ランキング～噛む力～ まとめ
イリエワニが、2位に大差をつけての1位でした。
同種の他のワニもランクイン可能なルールだった場合、2位はナイルワニ（2068kg）、3位はアメリカアリゲーター（879kg）という、1位～3位までを、すべてワニが独占してしまう結果となっていました。
また、咬合力を正確に実測することが困難で、実測値が分からない動物たちも多数存在しています。
シャチもその中の一つで、１位のイリエワニの２倍以上の咬合力を持っているとする研究報告もあるようです。
このランキングはあくまで実測値をもとに作成しておりますので、今後入れ替わりの可能性は大いにあり得ることだと思います。
