世界には、800種以上もの犬種が存在しています。
その中で、日本では中々お目にかかれない、希少で珍しい犬たちに興味はありませんか?
そこで今回は、希少な犬種の中で、珍しい見た目をした犬種順にランキング付けし、その歴史や生い立ちと共に、ご紹介していきたいと思います。
では、早速見ていく事にしましょう。
世界の珍しい犬種ランキング 15位 ヴェッターフーン
ヴェッターフーンは、オランダ原産の中型犬です。
オランダ語で、「オランダのウォータードッグ」という意味の名を持っています。
クルクルとした水弾きの良い被毛を持ち、泳ぐことを得意としています。
古くは、カワウソなどの川の小動物の狩りに活躍していました。
日本では現在まで、1頭も登録された事がなく、原産国であるオランダでも登録頭数はあまり多くありません。
世界の珍しい犬種ランキング 14位 スパニッシュ・グレーハウンド
スパニッシュ・グレーハウンドは、スペイン原産の大型犬です。
古代エジプト原産の超古代犬種、「チズム」が、土着の猟犬と交配され作出されたと言われています。
体長や体高の割りに体重が軽く、スリムな身体が特徴で、最高時速70kmもの速さで走ることが可能です。
足の速さを生かし、ウサギやキツネ狩りに用いられていましたが、20世紀に入るとドッグレースに出場するようになります。
また現在では、その美しいスタイルを生かし、ショードッグでも活躍しています。
スペインでは、ペットとして人気がありますが、日本では2009年に1頭登録されているのみと、非常に珍しい犬種となっています。
世界の珍しい犬種ランキング 13位 タイ・リッジバッグ・ドッグ
タイ・リッジバッグ・ドッグは、タイ原産の中型犬です。
うなじから背中にかけて逆毛になっている、リッジバッグが特徴で、引き締まった筋肉質な体つきをしています。
3000年前には既にタイに存在し、猟犬として活躍していたとされ、 地理的な要因から、他犬種との交雑が少なく、原始的な趣を色濃く残しています。
近年になって、ようやく世界的に知れ渡ってきていますが、世界的にもまだまだ珍しいと言って良いでしょう。
日本でも2009年までは、年間10~20頭程度の登録があったのですが、それ以降は、約14年間で1頭のみと激減しています。
世界の珍しい犬種ランキング 12位 アザワク
アザワクは、マリ共和国を原産とする大型犬です。
現地の遊牧民、トゥアレグ族のみが飼育していた犬種で、家族の一員として大切に扱われてきました。
現在でも、食事を共にし、寝床を共有するなど、人間と同じ待遇を受けているほどです。
足や尻尾は長く、小さな頭、細身の体つきをしており、抜群の足の速さと、すさまじいほどのスタミナを持ち、猟犬として活躍していました。
近年では、足の速さを生かし、ドッグレースで活躍しており、レースに出場した際には、最高速度65kmの記録を打ち立てています。
たくさんの運動消費が必要で、飼うことがなかなか難しい犬種で、日本での登録は、過去24年間でわずか2頭しかありません。
世界の珍しい犬種ランキング 11位 チベタン・マスティフ
チベタン・マスティフは、チベット高原を原産とする超大型犬です。
最大体高70cm、体重80kgにも及び、ライオンのたてがみのような、首周りの厚い毛を特徴としています。
世界最古の犬種のひとつで、現在世界中に存在する、マスティフ種の祖とも言われています。
また、中国では吉祥のシンボルとされている獅子に似ていることから、縁起の良い犬として、富裕層の間で人気となりました。
2014年には、史上最高額である2億円で取引されたこともあり、世界一高価な犬と呼ばれることもあります。
しかし、躾の失敗による事故の多発や、富裕層の没落などを要因に、人気も価格も暴落し、現在は落ち着いています。
日本でも2014年頃までは、年平均5頭程度の登録がありましたが、直近5年では、僅か3頭となっています。
世界の珍しい犬種ランキング 10位 チルネコ・デルエトナ
チルネコ・デルエトナは、イタリアのシチリア島原産の中型犬です。
14位で登場したスパニッシュ・グレーハウンドと同じ、超古代犬種「チズム」を祖としています。
このチズムがシチリア島に定住し、適応・進化したものが、チルネコ・デルエトナです。
どことなく古代エジプトの犬の神「アヌビス」を思わせる風貌をしています。
20世紀に入ると頭数が減り、絶滅の危機に陥ったのですが、島民上げての保護キャンペーンが功を奏し、絶滅の危機を回避した経緯があります。
日本での登録は、2018年に1頭のみで、世界的にも希少な犬種となっています。
世界の珍しい犬種ランキング 9位 アルパハ・ブルー・ブラッド・ブルドッグ
アルパハ・ブルー・ブラッド・ブルドッグは、アメリカのジョージア州原産の大型犬です。
原産地付近に流れる、アルパハ川にちなんで名付けられました。
元々は、イギリスから作業犬として輸入された、オールド・イングリッシュ・ブルドッグの子孫で、奴隷の監視や虐待などに使われており、その凶悪な面構えも相まって、すっかり悪のイメージが付いていました。
しかし、先祖である「オットー」という名の犬の忠犬エピソードが広まり、再評価されたことにより、現在では、悪のイメージは薄まっています。
少し古い情報ではありますが、2007年時点に全世界で、原産地を中心に200頭前後しか存在していなかったそうです。
ジャパンケネルクラブの未公認犬種であることからも、実際に見ることは非常に難しそうです。
世界の珍しい犬種ランキング 8位 アーフェンピンシャー
アーフェンピンシャーは、ドイツ原産の小型犬です。
誕生当初はかなり大型で、ネズミ駆除などの作業犬として用いられていました。
犬種名はドイツ語で「サルのようなテリア」という意味を持ち、その名の通り、短いマズルと丸い瞳が、愛嬌のあるサルを連想させます。
明るく活発で、好奇心旺盛な性格をしており、目をキラキラと輝かせながら、ちょこまかと動き回ります。
世界的に見ると、ブームに左右されない、根強い人気がある犬種です。
日本でも、年平均5頭程度の登録はありますが、まだまだ少なく、滅多にお目にかかることが出来ない犬種となっています。
世界の珍しい犬種ランキング 7位 コトン・ド・テュレアール
コトン・ド・テュレアールは、マダガスカル原産の小型犬です。
同島の南西部にある港町、テュレアールにちなみ、「テュレアール港に咲く綿花」という可愛らしい意味の名前を付けられました。
その名の通り、コットンのようなふわふわなむく毛を特徴としています。
元々はヨーロッパの水夫がマダガスカルに持ち込み、その後再びフランスに持ち込まれた経緯があります。
一時期、貴族から、庶民がコトン・ド・テュレアールを飼ってはならないという法令が出されるほどに、貴族から愛されていました。
アメリカやカナダ、イギリスなどで密かな人気を集めていますが、世界的に見るとそれ程多くは存在していません。
日本では2014年になるまで、登録されたことがなかった犬種ですが、それ以降、年平均3頭程度の登録が続いています。
世界の珍しい犬種ランキング 6位 ペルービアン・ヘアレス・ドッグ
ペルービアン・ヘアレス・ドッグは、ペルー原産のヘアレス犬種です。
ヘアレス犬種ですが、個体によっては、頭や尻尾などに白っぽい毛が生えていることもあります。
サイズがS、M、Lと3種類存在し、それぞれ小型犬、中型犬、大型犬に該当しています。
紀元前300年頃には、既に存在していたとされ、古代ヴァンカ族が食用として飼育していた時代もあります。
インカ帝国の時代になると、「聖なる犬」として崇められ、高貴な人々のペットとして飼育・改良され、その後は、ペルー全土で飼育されることとなります。
海外のヘアレス犬種の愛好家によると、最も飼育がしやすいヘアレス犬種でもあるそうです。
日本では2003年に、7頭の登録があるのみで、以降は全く登録されておらず、実際にお目にかかることが困難な犬種となっています
世界の珍しい犬種ランキング 5位 ベルガマスコ
ベルガマスコは、イタリア原産の大型犬です。
紀元前1000年頃に、フェニキア人が持ち込んだ牧羊犬を祖として作出されたとされます。
最大の特徴は、体全体を覆っている、三層仕立てのボリュームのある被毛です。
成長と共に長くなる被毛は、絡まり、フェルトのような束になります。
防寒、防水性に優れ、外敵の牙などから身を守る、鎧としての役割も持っています。
しかし、食事や排泄の時に汚れやすく、コートの手入れも難しいため、現在では、ほとんどがショードッグとして飼育されており、ペットとして飼われるケースは非常に少なくなっています。
ジャパンケネルクラブの未公認犬種でもあり、日本で見ることが出来る可能性は、ほぼゼロと言って良いでしょう。
世界の珍しい犬種ランキング 4位 コモンドール
コモンドールは、ハンガリー原産の大型犬です。
ドレッドヘアーのような重厚な被毛が特徴で、5位で登場したベルガマスコと同様のコートを持っています。
ベルガマスコとの違いは、被毛の束が若干細く、ロープ状になっていることです。
コートに隠れていますが、マスティフ種を思わせるような、筋骨隆々のがっしりとした体格をしています。
原産国であるハンガリーでは、国宝にも指定されており、ヨーロッパでは一定の人気がありますが、ベルガマスコ同様、コートの手入れが難しいことから、ペットとして飼われるものは珍しいようです。
日本では、過去18年で3頭の登録のみと、非常に希少性の高い犬種となっています。
世界の珍しい犬種ランキング 番外編
ここで、ベスト3を前に、番外編として、見た目は珍しくありませんが、日本と同じ東アジアの国を原産とし、日本での希少性が高い犬種2種をご紹介しておきたいと思います。
世界の珍しい犬種ランキング 番外編① コリア・ジンドー・ドッグ
コリア・ジンドー・ドッグは、韓国の珍島原産の中型犬です。
見た目は、日本の秋田犬や柴犬に似ており、韓国の天然記念物にも指定されています。
日本犬6種のうち、北海道犬を除いた5種と、起源は同じだとされていますので、秋田犬や柴犬に似ていることも納得です。
日本では1999年に、2頭登録されたのみで、見た目以上に珍しい犬種と言って良いでしょう。
世界の珍しい犬種ランキング 番外編② タイワン・ドッグ
タイワン・ドッグは、台湾原産の中型犬です。
三角形の頭部、アーモンド形の目、筋肉質でバランスのとれたスタイルを特徴としています。
元々は南アジアの狩猟犬、「パリア犬」の子孫と言われており、機敏で、ネズミなどの小動物を狩るスキルに長けています。
日本では2019年に、1頭登録されたのみです。
世界の珍しい犬種ランキング 3位 ベドリントン・テリア
ベドリントン・テリアは、イギリス原産の中型犬です。
原産地であるノーサンバーランド州の炭鉱町、ベドリントンにちなんでこの名が付けられました。
洋梨のような形をした頭部と、繰り綿のような毛皮を持っていることから、「仔羊のような風貌」と例えられることもあります。
元々は炭鉱労働者たちが、闘犬や密猟のために飼っていた犬を、祖先としているため、狩りの時などは「子羊の皮を被ったオオカミ」と呼ばれるほどに、勇猛果敢に獲物を追い詰めます。
また、かなりの頑固者で、一度決めたら一歩も譲らない気の強さがあり、周りの犬と争いになってしまうことも多いようです。
日本では、毎年20~30頭程度登録されていますが、まだまだお目にかかるのは難しいレベルです。
世界の珍しい犬種ランキング 2位 シャー・ペイ
シャー・ペイは、中国の広東省を原産とする中型犬です。
中国語で「垂れさがった皮膚」という意味の名を持ち、その名の通り、独特のたるんだ皮膚と、たくさんのしわを特徴としています。
古くから牧羊犬や番犬に用いられており、特に闘犬として人気を博していましたが、ヨーロッパから大型の闘犬が輸入されると、それには太刀打ちできず、人気も凋落していきました。
1978年には、世界で60頭しかいない、最も珍しい犬種としてギネスブックに認定されるほど激減していました。
しかし、香港や台湾のブリーダーたちの努力や、ユニークな外見が、アメリカのブリーダーに気に入られたこともあり、絶滅の危機を免れ、現在はアメリカだけで、約19,000頭もの登録があるほどです。
日本でも毎年コンスタントに、10~20頭程度は登録されていますが、まだまだ滅多にお目にかかれない犬種と言って良いでしょう。
世界の珍しい犬種ランキング 1位 カタビュラン
カタビュランは、トルコのメルスィン県タルススを原産とする中型犬です。
カタビュランとは、現地のトルコの言葉で「フォーク鼻」という意味をもっています。
その名の通り、2つに分かれた「フォーク鼻」を最大の特徴とし、優れた嗅覚を持っていたことから、狩猟犬として活躍してきました。
もちろん、この2つに分かれた鼻は奇形ではなく、この犬種特有のものです。
しかし、口蓋裂などの遺伝的疾患リスクが大きい犬種であることから、ブリーダーたちが積極的に繁殖活動を行ってこなかった理由にもなっています。
そのため現在では、推定200頭程度が原産地に生息するのみとなっており、現地では種を保護するための、特別プログラムが進められています。
日本だけではなく、世界的にもトルコ以外で見れる可能性はゼロに等しいでしょう。
世界の珍しい犬種ランキング まとめ
珍しい犬種ランキング、いかがだったでしょうか?
古くからの血統を受け継いできたもの、交配の結果、珍しい見た目を獲得したものなど、様々な犬種が登場していました。
ワンちゃんが大好きな方にとっては、とても興味深く見ることが出来たのではないでしょうか?
最後に、このランキングは、あくまで製作者の独断と偏見をもとに、敢えて順位付けしたものに過ぎないことを付記しておきたいと思います。
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